乾癬という病い

このブログは、難治性皮膚疾患である乾癬という病いとともに生きる、一人の人間の記録です。

人間の感情

今の日本の状況を憂いている。

4月のブログで「コロナも怖いが本当に怖いのはその中で本音や本性を現す人間の姿だ」と書いたが、今の日本の状況は私が予想していたよりずっと酷い。

あくまでも日本においてだが、新型コロナウイルスの国内の重症者数、死者数等をずっとみていれば、経済を止めるほどのウイルスではない事は明白だ。
もうそれは5月頃からわかっていた事で、ほぼ無策で(接触8割減の「要請」はあったが)、世界一の高齢化社会である日本において、死者数が少ないという事実を、国民はもっと冷静に考えなければいけない。

むしろ今回の新型コロナ騒動で、私はインフルエンザがいかに怖いウイルスであるかを思い知らされた。

こんな事を書けば批判を受けるかもしれないが、新型コロナは、子供や若者が罹患しても殆どの場合が無症状か軽症で終わる。死亡しているのは大体基礎疾患のある高齢者だ。
それに比べるとインフルエンザは非常に厳しいウイルスで、感染すると、子供から大人そして高齢者と、全世代にわたって苦しい症状を発症させ、1週間は社会活動を出来なくさせる。
驚くべきはワクチンや薬があるにも関わらず、毎年日本で1000万人がインフルエンザに罹患し(しかもこの数字は発症して病院で診断を受けた人数で、病院へ行っていない人、つまり無症状の人は含まれていない)、関連死は1万人にも及ぶ。ちなみに現在(8/29)世界での新型コロナウイルスの感染者数は約2400万人だ。

インフルエンザとは比較できないとよく言われるが、むしろ比較しないとダメだと思う。
単純に、死者をより多く出すウイルスの方が私は断然怖い。むしろ焦点はそこのはずだが、みんなは違うのだろうか?

データを無視し、毎日毎日ただPCR検査の陽性者数だけを報道するマスコミ、不安を煽る専門家達によって国民は恐怖に洗脳された。本当に見事なまでに洗脳された。

人々は感染者を犯罪者のように探し出し、その行動を暴き、徹底的に叩いた。誰かを、特定の職業を、特定の地域をスケープゴートに仕立て上げないと、自分の不安をどうにも処理できない心理に陥った。
しかもそれだけに留まらず、「2週間後が」「重症者はこれから増える」「後遺症が」などと他の病気にも当然あり得る事を言い出して、不安の中に留まらせようとする。
そしてコロナ禍おいては巧妙な脅し文句となる「高齢者や持病を持っている人にうつしたらどうするんだ」という言葉を使って、他人の行動を規制しようとする。
もっともっと多くの死者を出すインフルエンザではそんなことは言わないじゃないか。みんな各自が気をつけながら普通に生活してたじゃないか。

政府が「GoTo使ってください」「それぞれ感染予防しながら動いてください」とわざわざ言ってくれているのに、マスコミによって洗脳された国民はそれに「No」を突きつけた。各知事もその流れに乗った。

政府が国民を安心させる為の説明をせず、ひっそり緩和政策に切り替えたことで、より一層国民は混乱と不安に陥った。

欧米ではマスク着用義務化(違反すれば罰則)に反対する人々のデモが多発している。日本人には奇異に映るのかも知れないが、彼らから見ると、互いを監視し合い感染者を悪者にし、村八分にする日本人が逆に奇異に映っている。欧米人の自由や人権に対する当然の強い希求を、日本人には理解出来ない。

欧米だけではない。コロナ禍でも香港では民主主義、自由、権利を命がけで守ろうとした人達が沢山いた。この真に勇気ある行動も、日本人にはおそらく理解できないし、同じ状況に今の日本人が置かれたら、きっとお互いを監視し合うだけなんだろう。

文化や価値観、習慣の違いを受け入れる事こそ多様性を認める事であり、それぞれの違いを正誤で判断してはいけないはずだ。分かっていても感情的になかなかそれが出来ない。

私は乾癬患者としてこのコロナ禍でずっとずっと思っていることがある。いくら乾癬が絶対にうつらない病いだと、科学的、論理的に説明したとしても、他人から見ればうつるかうつらないかなんて実はどうでもいいんじゃないか。いざとなれば「汚い」「怖い」という感情だけで日本では簡単に排除されてしまうのではないか。それほどまでに日本人は今、理性を失っている。

コロナ禍においてパニックに陥った人達は、特定の職業に対して「世の中に必要のない仕事」とまで言い切り、感染の仕方によって善悪を分けた。そして経済により今後失うかもしれない多くの命を、なぜか他人事のように捉えている。

私は恐ろしかった。人の本音なんてこんなものだ。普段は物分かりの良いフリをしているが心の中ではいろんな理由で他人を見下し、差別している。本音では社会的弱者のことなんてどうだっていいのだ。

最近やっと政府の中でも新型コロナウイルスを指定感染症から外すという見方がでてきている。

国民はどう反応するのだろうか。

それでも人間が非科学的に思い込んでしまったものはそう簡単には覚めないんだろう。洗脳とはそういうものだ。
過去最高に暑い夏に、みんなが炎天下でマスクをしている状況をみているとつくづくそう思う。
これじゃ熱中症で死んでしまう確率の方が高いんじゃないのか。コロナ以外の死はもはやどうでもいいのだろうか。

国民が、戦後最大の恐怖と不安のただ中に置かれている中で、突然辞意を表明した首相。

人生に、予想外の出来事なんてこれからいくらでも起きる。我々は自分の頭で考え行動をしなければいけない。でもそれは本来当たり前のことで、弱者に寄り添いながら、人間らしい生活を普通に続けていくことこそが、今で出来る最善の事だと私は思っている。

 

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