乾癬という病い

このブログは、難治性皮膚疾患である乾癬という病いとともに生きる、一人の人間の記録です。

2019-01-01から1年間の記事一覧

普通の生活

朝のラッシュの地下鉄を出ると、会社まで続くイチョウ並木が鮮やかな黄色に染まっている。あぁもう一年経つんだなと思う。 去年のちょうど紅葉の時期に、私は転職活動をしていた。綺麗に色づいたこのイチョウ並木の下を歩きながら今の会社の面接に向かってい…

痛みのない体

私は子供の頃から筋金入りの頭痛持ちだ。 そしてここ数ヶ月、あまりに頻繁に起こる偏頭痛に悩まされていた。先月には毎日偏頭痛が起こるようになり、おまけに薬も効かなくなって仕事に影響がでてきたので、頭痛外来に通う事にした。 偏頭痛の予防薬がある事…

沖縄旅行

遅い夏休みをとって私は沖縄に行くことにした。今打っているバイオ製剤のトレムフィアがあまりスキッと効いてくれず新しい皮疹が出てきている。少し焦っていた。 来年もクリアな肌でいられる保証なんてない。だから今のうちにやりたい事をやっておきたい。夏…

思い込み

ある日テレビを見ていたら沖縄の海が映っていた。白い砂浜に青い海と空。そして赤瓦の屋根の町並み。沖縄らしい風景だった。 行きたいな、とすぐに思った。 趣味で旅行はよくしていたが、いままで「青い海と空」といういかにも南国のリゾートみたいな風景や…

トレムフィア7回目

トレムフィアが効かなくなってきて乾癬は少しずつ悪化している。体のあちこちに新しい小さな皮疹が出てきている。 先日7回目のトレムフィアを打ちに病院へ行き、体を先生に診てもらった。肩のあたりをちらっと診ただけで先生も「あぁ確かに広がってますね、…

花火大会

今夏は半袖Tシャツを何枚か買った。 今まではTシャツを着るというごく何気ない普通の事が出来なかった。乾癬で腕を出せないからだ。今は着れる。すごい事だ。 そうだ、と思い立ち、私は家にあるホワイトジーンズを裁ちバサミで膝丈まで切ってみた。切った裾…

トレムフィア6回目

先日トレムフィア6回目を打ちに病院へ行った。ステラーラからトレムフィアに変更したのは去年の9月で最初は規定通り8w毎に打っていたが今年に入り経済的に苦しくなったので12w毎にしていた。 今回の診察で乾癬が悪化しているからやはり8w毎に戻しましょうと…

らしさ

昔、私の部屋のクローゼットには、乾癬が少しでも良くなれば着たいと思って購入していた服が常に1〜2着あった。でもそれを着る機会は結局なく、ずっとクローゼットの奥にしまったままだった。数年で服の流行りは変わり、その度に処分し、また着てみたいと思…

歳を重ねること②

加齢によって見た目が衰えていくことに興味がない私も、体が思うように動かなくなったり体力が衰えていくことにはやはり寂しさや辛さを感じる。ああ、もう若くはないんだなと。 でもだんだんと気がついていた。 歳をとることは悲しいことだけじゃ決してない…

歳を重ねること①

大人になってから周りの友達がエステだったりアンチエイジングだったり、肌の美しさや若さを保つのに気を使う様子を眺めながら、楽しそうでいいなと羨ましく思っていた。そういう事にお金を費やせるということはとても贅沢で豊かな事だ。 一方乾癬の私は、美…

東京の桜は今年、早めに満開になった。職場の窓から綺麗な桜がよく見える。窓枠が額縁の代わりになって、その中で咲き誇る桜はまるで美しい芸術作品のよう。 私は昔から春という季節が苦手だった。出会いや別れが多く環境の変化に気持ちがついていけない。気…

ヒャダイン氏の乾癬患者応援ソング

今日ヒャダイン氏が制作した乾癬患者応援ソング「晴れゆく道」が発表された。 明るい曲で、Youtubeで公開されているMVも楽しさと優しさに溢れている。 有名人が乾癬を公表し、啓発活動をしてくれている。その裏にはどれほどの苦悩があったのだろうと想像する…

暦の上では春になった。 まだまだ肌寒い日々だが、少しずつ、でも確実に暖かくなってきている。 トレムフィア4回目を打ち、現在私の乾癬は9割消失した。夢にまでみたクリアな肌で今、生きている。 毎年冬が終わるのがとても嫌だった。洋服で肌を隠せる季節が…

2019

2019年。新しい年になった。 生物学的製剤を使い始めてから私はこれからの自身の生き方についてずっと考えていた。 自分が生きている間に寛解を目指せる薬が開発され、そしてそれを使用できるようになるとは全く予想していなかった。大した治療法がなかった…