乾癬という病い

このブログは、難治性皮膚疾患である乾癬という病いとともに生きる、一人の人間の記録です。

新型コロナウイルスと生物学的製剤

もし生物学的製剤を諦めなくてはならない時がくるとしたらそれは経済的な理由しかないと思っていた。

だがやはり人生は予定外の事ばかり起こる。今回は新型コロナウイルスだ。

お正月気分も抜けた1月中頃、ネットニュースでこの話題を初めて目にした。記事を読んだ瞬間、これはまずい事態になりそうだと直感した。その数日前に9回目のトレムフィアを打ったばかりだったからかもしれない。

生物学的製剤を打っている自分は危ないなとまず思った。そもそもインフルなどの感染症にも気をつけなければいけないのに更に未知のウイルスともなればそれは脅威だ。

日本政府が春節前に武漢からの渡航制限をかけなかった時点で2月初旬には日本でヒトヒト感染が発覚し、3月、4月で感染者はピークに達するだろうと予想していた。なので1月下旬には会社の総務部へ、うがい手洗いマスクの励行及び注意喚起の一斉メールをしてほしいとお願いしたが、笑って流された。

ほんの2ヶ月前のお正月、私はのんびりと兄夫婦の家でお節を食べながら考えていた。次の旅行先はどこにしようかなぁ?また海のあるとこがいいな。でもやっぱ冬だから温泉がいいかな?行きたい国もあるけど、歳取るとやっぱり国内がいいよなぁ、と。

なんと幸せな時間だったのだろうと3月の今、思う。中国から始まった新型コロナウイルスは今や世界中に伝播した。あっという間だった。

今回の新型コロナは季節性インフルエンザと同じ扱いでいいという意見も多く聞くし、もちろん来年にはその扱いになっていてほしいと望んでいる。もし感染したとしても軽い症状や無症状で終わる人が多いようだし、きっとそうなんだろう。

問題は潜伏期間が長いという事と、その間にも無症状の感染者が最大6〜7人までに感染させてしまう可能性があるということだ。

従来のインフルエンザの場合、発症したら高熱、悪寒、関節の痛みなど基本的に患者本人に強い症状が出る。だから病院に行くし、検査して陽性ならば会社も5日間は休まなければいけない。でもその後は通常の生活に戻れる。

しかし新型コロナの場合はそうはいかない。元気な感染者がウイルスを撒きながらそこら辺を歩き回っていると想像すれば分かりやすいのかもしれない。重症化しやすい人、高齢者にとってはそれは恐怖だ。ワクチンも特効薬もまだないのだ。

この新型コロナウイルスは未知のものだ。自然の脅威や未知のものに対して人間は畏れを持って対峙しなければいけないと思う。パニックなるのも良くないが、「大したことはない。風邪や従来のインフルエンザと同じだ」とタカをくくるもダメだと思う。

そもそも人間が自然や未知のものに対して畏れを抱くのは普通の感覚ではないか、と改めて思う。今まで海外を旅しながら圧倒的な大自然に接する機会が何度もあった。壮大な山々、降ってくるような満点の星空、そして想像するその先の宇宙、スキューバダイビングで触れた海の世界。

自分の想像をはるかに超える圧倒的で未知なものに触れた時、私は感動すると同時に同じだけの畏怖の念を抱いた。

それはマクロでもミクロでも同じだ。

以前ブログでも書いた、自分の感情を内へ内へ向けても外に外に向けても結局同じところに辿り着くという感覚と似ている。

自分のその感覚を元にもうすぐ打とうとしている新しい生物学的製剤の事を考えた。トレムフィアをやめて別の生物を打つ予定だったのだ。

でもコロナの影響でいろんな疑問と不安が次々と浮かんだ。新しい生物を打つ前に早く医師に相談しなければと、私はすぐに病院の予約を取った。

 

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