変化
すでに中学、高校の時には、生きていくことはとてもつらい事だと思うようになっていた。周りの健康な友達を見るにつけ、人生はなんと不条理で理不尽なのだろうと絶望していた。
学生にとって学校は世界の全てであり、逃げる場所などなかった。誰かに助けを求めたくても出来なかった。
この醜く、つらい体から逃れる方法などないのだ。この難儀な体で日々をなんとかやり過ごすしかなかった。
そして大学生になった私は、やっと制服というものから解放された。毎日長袖にパンツスタイルでいつでも皮膚を隠せるようになったのだ。
これは私にとってとても大きな事だった。
そしてもう一つ、乾癬の薬であるステロイド軟膏に頭皮用のローションタイプが出たことも生活に大きな変化をもたらした。頭皮の乾癬にステロイド軟膏をつけると、髪の毛がものすごくベタベタになる。そのベタベタは、一回のシャンプーではとても落ちない。
いつもフケ(鱗屑)と軟膏のベタベタに悩まされていたのが、このローションで頭皮の乾癬をコントロールし易くなり以前ほど頭皮や髪に関して悩まなくてすむようになった。
なんだか矛盾しているようだが、隠すことができる生活で私は少し自由になった気がした。
いつも人の目が気になってガチガチに緊張していた体が、少し楽になった。