乾癬という病い

このブログは、難治性皮膚疾患である乾癬という病いとともに生きる、一人の人間の記録です。

本音

ステラーラ最初の投与から6週目に入っていたが、皮膚に変化は見られなかった。

私は医師を変更してもらい、相談の為に病院へ行った。

新しい医師は女性で、サバサバしているタイプの人だった。この人とは合うかも、と直感で思った。

私はステラーラを打ってからネットで様々な情報を集めていた。情報を集める中で、別の生物学的製剤がよく効くとの情報を度々目にしていた。

効きの遅いステラーラを使うより、効果が早くてよく効く製剤をなぜ使わないのか疑問を持っていた。

私は医師にステラーラが現段階で効いていないことを報告し、別の生物学的製剤に変えることはできないかと相談した。

医師は、「まだ結論を出すのは早いと思います。ステラーラは効くのが遅いんですよ。焦らず、もう少し様子を見ませんか」と言った。

もう少し様子を見ようという医師の言葉で、私の中で何かが崩れたのがわかった。

その途端、ずっと溜め込んでいた感情が堰を切ったように溢れ出した。

「私、5歳で乾癬を発症していて、一度もきれいな肌で生きた事がないんです。いち日も早くきれいな肌になりたいって思うことは駄目な事ですか。きれいな肌で生きてみたいって思うのは駄目なんですか。私、この肌のせいで結婚も子供も諦めたんです。もう待てないんです。待ちたくないんです。お願いします、先生!」

私は泣きながら訴えていた。

心の中で、しまった取り乱してると思った。しかしどうにも止める事が出来なかった。

いい大人が、グシャグシャに泣きながら、自分より年下の医師に訴えていた。

医師は戸惑いながらも、そうですよね…ではちょっと待って下さい、上に相談してきます、と言って席を立った。

医師が戻って来るまでの間、私は少し呆然としていた。

いま言った事が、私の本当の気持ちだ。いままで色んな理由をつけて苦しい気持ちに折り合いをつけてきた。だけどたった今、医師に訴えた事がシンプルな私の本音だ。

何十年と言いたくても言えなかったこと。

私は乾癬に関して、初めて本音を他人にぶつけたのだ。

 

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