乾癬という病い

このブログは、難治性皮膚疾患である乾癬という病いとともに生きる、一人の人間の記録です。

未知の世界

ステラーラ4回目の投与。最初の投与から28週経過。肌状態は85%ほどの改善を保っている。医師は「随分綺麗になったねー。もうメソメソしてない?」と笑い、私も「はい」と笑った。

なんとなくステラーラでの改善はここまでが限界だろうな、と感じた。もちろんここまで奇麗になればもう十分満足だ。QOLは格段に向上した。いや、格段になどという程度ではない。皮膚疾患のない人と同じような生活を送ることができるようになった。

私が憧れて憧れて、望みに望んだ肌。

好きな服を着たり、温泉へ行ったり、皮膚を気にせずに「普通」に過ごせる肌。

大袈裟ではなく、私は本当にクリアな皮膚の自分を知らない。小さな子どもの頃から乾癬の自分しか知らない。

だが生物学的製剤により、約半年で劇的に変化した自分の肌。

実はまだその変化に心が伴っていない。

乾癬を気にせず生活する事にまだ慣れていないのだ。肌を隠そうとする自分が常にいる。人が自分の後ろを通る時はいつも肩が緊張するし、会社で書類を指差して説明するとき、手の甲を見られないように注意する。こんな服が着てみたいとネットで探してみるが、つい癖で長袖パンツスタイルを探してしまう。

生活の中で、肌を隠す為の言動が、朝起きてから寝るまでなんと多かったのかと改めて驚く。

そしてその生活が形作った私という人格。

ふっと恐ろしくなる。

私は大丈夫だろうか、と。

この気持ちをなんと説明すればいいのか分からない。なにせ共感できる人が他にいない。

本意ではないが、いつの間にか乾癬であるということが自分のアイデンティティの一部となっていたのかなとは思う。そうならざるを得なかったのだと。

乾癬のない自分でこれから生きていく。

どうなるのか全くわからない世界が目の前にある。

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