記録
この時期から、私は記録として自分の体の写真を撮る事にした。
毎週土曜日に背中、腕、足を中心に写真を撮り、スマホへ保存していった。週ごとに皮膚状態の変化を確認する為だ。
今まで自分の乾癬を写真に撮った事など一度もない。鏡に映る自分の体を見る事はあっても、写真で見るのは初めてだった。
何十年と乾癬の体で生きてきたのに、写真で自分の肌を見て、私はショックを受けた。分かっていたつもりでも、あまりに酷い皮膚状態に衝撃を受けた。
乾癬部分は大きく繋がって、背中はまるで世界地図のようだ。
乾癬がでていない皮膚部分も、乾癬の発現や消失を繰り返すうちに色素沈着で黒ずんだり、シミになったりしていた。
改めて、こんな体でよく生きてきたなぁと思った。
物心ついた頃から乾癬と共に生きてきたので、ある意味当たり前のように乾癬と向き合わざるを得なかったが、人生の途中から乾癬を発症した人はどんな苦しい思いをしただろう、と思った。
写真を撮るという作業は、なかなか辛いものだった。けれど3ヶ月ごとの注射なら、医者も私の皮膚の状態などいちいち覚えてくれてはいないだろう。だから自発的に記録を残すしかなかったのだ。
1回目のステラーラ投与から13週が経とうとしていた。私の皮膚に、まだ変化はみられなかった。