自己免疫疾患
ステラーラ最初の投与から25週が経過した。投与前に比べて80%程の改善を維持している。
乾癬患者の中には、発症後に自然寛解し、数年または十数年とその状態を保っている人もいる。
私の場合、5歳で発症後、ずっと乾癬は広がり続けていた。様々な民間療法、食事制限を試したがそんな事では私の乾癬の勢いは止まらなかった。
戦うのは無駄だということを、あっさりと認めざるを得ないほど、乾癬という病いは厄介だった。
だが生物学的製剤を打ち、たった数ヶ月で私の肌は考えられないほどクリアになっている。
子供の頃、医者によく言われていた。
「医学は日進月歩。だからいつか乾癬は治る病気になるよ。」
それ以来数十年、遅々として進まぬ治療法、酷くなる一方の自分の皮膚に、幾度も私の心は挫けた。こんな体なんて脱ぎ棄てたいと本気で考えたこともある。
そして今。
まだ完治する治療法は確立されてはいないが、寛解を目指す事が可能な生物学的製剤を私は使い、着実に症状は改善されている。
それはこの病いが、自己免疫疾患であるということを実感させられる事でもある。
様々な民間療法を試し、その度に希望を持ち、そしてその希望を打ち砕かれ続けていた過去の自分を想い、胸が痛むのだ。
だが、今思えばただ闇雲に乾癬と無駄な戦いをしていたわけではないのかもしれない。
やはり私は希望を持ちたかったのだ。
新しい民間療法を試す時は、今度は効くかもしれないとワクワクし、きれいな肌になったらやりたいこと、挑戦したいことをあれこれ考えるのが好きだった。
そうやって私は心のバランスを保っていたのだと、改めて気づくのだ。