乾癬という病い

このブログは、難治性皮膚疾患である乾癬という病いとともに生きる、一人の人間の記録です。

3回目の投与

3回目のステラーラ投与の日。

会社を抜け、病院へ向かった。この時の皮膚状態は先週より更に改善されていた。

この日は、検査(血液検査、レントゲン等)を受けた後の診察となる。

スムーズに検査が終わり、昼食をとったあと、診察室に呼ばれた。

女性医師に聞かれる前に、私は 「先生、だいぶ効いてきました!」と報告した。多分その時の私は、子供が母親に「聞いて聞いて!」と話をするような顔をしていたんじゃないかと思う。

案の定、先生は3ヶ月前の状態をあまり覚えていないようだったので、私は記録として撮りためていた写真を見せた。

「わぁ、すごい綺麗になりましたね。」

「はい、嬉しいです。前回の診察では取り乱してしまい、申し訳ありませんでした。」

「ははは、いいんですよ、良かったですよね、効いてくれて。」

そんな会話をした後、例の有名医師も顔を出してくれ、私の皮膚状態を確認してくれた。

今日の段階であまり効いていないようだったらステラーラを2本打とうと前回の診察で言われていたが、私の状態をみて1本でいいね、と言ってくれた。そしてその医師は続けた。

「良くなってきているけど、最終的に僕らが目指すのは皮疹ゼロだから。」

その言葉に私は驚いた。良くなってきているという事実だけで私の心は喜びで一杯だったし、これ以上を望もうなんて思っていなかった。

「ゼロ…ですか?」と私は聞き返した。

「そうだよ、あなただってそれがいいでしょう? 目指すのはゼロだから。」

この先生はすごいな、と思った。普通医師はそんな確定的なことは言わないものだ。患者も変に期待をしてしまう。

だが本当は、患者にとって一番聞きたい言葉でもある。

私は嬉しかった。たとえ私の乾癬がゼロにならなくても、こんな医師に出会えたという事が嬉しかった。

3回目のステラーラ投与を終え、診察室を出た。

病院を出て会社に向かうまでの景色が、今までと違って見えた。

心の持ち方次第で、見えている世界はこんなにも変わるのだ。

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