歳を重ねること①
大人になってから周りの友達がエステだったりアンチエイジングだったり、肌の美しさや若さを保つのに気を使う様子を眺めながら、楽しそうでいいなと羨ましく思っていた。そういう事にお金を費やせるということはとても贅沢で豊かな事だ。
一方乾癬の私は、美容というものとは無縁の人生を送ってきた。私も綺麗になりたいなとごくたまに思うことはあっても、乾癬の肌を見た瞬間、その願望はひゅぅとしぼんでしまう。そして卑屈な自分が顔をだす。そんなこと思ったところで無駄だったと。私はそう願うことさえ許されていないんだと。
歳を重ねるごとに、少しでも若く美しくありたいと願うのは誰しも当たり前のことなんだろう。
だがみんなが気にする加齢による肌の衰えを、私は全然気にしていない。私の場合、そもそも乾癬で醜い肌なのだからシワやシミが出来たくらいで、もはやなんとも思わない。
時間と共にみんな身体は老いていく。若さからくる見た目の美しさは失われていく。誰もがそうだ。みんなに平等に訪れる自然の摂理に対してこれといった恐怖などない。孤独な闘いではないし不平等さなんて微塵もない。みんなに訪れるのだからみんなで受け入れたり、楽しみながら抗えばいい。
ただ乾癬は違う。周りはみんなクリアな肌だ。私だけがこんな醜い皮疹を身体中に持ってる。なぜ?なんて不公平なの?
そう思う自分が嫌で、歳を重ねるにつれ、私は人とは違うところに価値を求めるようになった。