乾癬という病い

このブログは、難治性皮膚疾患である乾癬という病いとともに生きる、一人の人間の記録です。

東京の桜は今年、早めに満開になった。職場の窓から綺麗な桜がよく見える。窓枠が額縁の代わりになって、その中で咲き誇る桜はまるで美しい芸術作品のよう。

私は昔から春という季節が苦手だった。出会いや別れが多く環境の変化に気持ちがついていけない。気温も安定しないから着る服にも困る。薄着になるにつれて肌も気になり始める季節だ。

でも今年はクリアな肌で迎える春。素直な気持ちで桜を愛でたいと思っていた。

そんな春の日の休日、昼寝をしていたら夢をみた。

ふと足を見ると乾癬がたくさん出ている。ぎょっとした。いつの間に?やっぱりトレムフィアの効果は3ヶ月はもたないんだ。どうしよう… 2ヶ月間隔で打てるほどの経済的余裕がない。またあの皮膚に戻るの?でもこんな高い治療費をもう払ってはいけない。それにやっぱり綺麗な肌なんて続くわけなかったんだ。そんな奇跡みたいなこと私に起きるわけないよね。夢のよう日々だったな。いや本当は夢だったのかもしれないな。なんて儚い日々だったんだろう。

目が覚めた時、一瞬現実なのか夢なのかわからず混乱した。慌てて自分の足を見た。乾癬などひとつもないクリアな肌があった。

なんて有難いんだと心底思った。

私は普段悩んでいることや不安なことがすぐ夢になって出てきてしまうタイプだ。やはりまた乾癬がぶり返してこないかどうか私は常に不安なのだ。

本来なら2ヶ月間隔で打たないといけないトレムフィアを今は経済的に苦しくなって3ヶ月間隔にしてもらっている。それには医師も「本当は8週ごとが理想的なんだけど…でも仕方ないですね。もしかしたら少し悪化するかもしれない。そしたらまた考えましょう。」と言っていた。でも考えたところで経済的余裕が出るはずもなく、生物学的製剤を諦めないといけなくなる日が意外に早く来るのかもしれないと思った。

夢で見た、あのぎょっとしたリアルな感覚がずっと残っている。思い出すたび心がざわつく。

そして先日の冷たい春の雨で、桜も早々と散ってしまった。美しさを楽しめる時間は本当に短く儚い。

なんとなく、やっぱり私は春は苦手だな、と今年も思った。

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