乾癬という病い

このブログは、難治性皮膚疾患である乾癬という病いとともに生きる、一人の人間の記録です。

温泉

まとまった休みが取れた為、短い湯治に行く事にした。一週間程だが、何も考えない、気にしない時間が欲しかった。自分の為だけに使う時間。東京から離れ、湯治ができる温泉へ向かった。

乾癬に効くことで有名な豊富温泉は北海道にある。興味はあったが今の私はステラーラを使って8割ほど肌がクリアな状態なので、北海道まで行く必要はないと考え東京からそう遠くない場所を選んだ。

温泉に行く。これは私が肌がきれいになったらやってみたかった事の一つだ。

今の私が温泉に入っても、周りの人から驚きの目で見られたり、同じ湯に入る事を嫌がられたりすることはないはずだ。それ程に乾癬は改善されている。だから大丈夫、と初めての温泉で緊張気味の自分に言い聞かせた。

もともと部屋数が少ない湯治宿に平日に滞在した為か、風呂はとても空いていたし、一人だけの貸切状態の時もあった。

私は広い露天風呂でのびのびと湯に浸かる事ができた。体の芯から温まり心もほぐれていくのがわかった。雨に濡れた土の匂いと草の匂い、そして山の匂い。さらに懐かしい蚊取り線香の香りの中、疲れやストレスが湯に溶けて流れていくように感じた。

そして湯の中で目一杯伸ばした自分の両脚を見て、私は幸せを感じた。乾癬のない私の身体がそこにあった。

日本人は昔からこうやって温泉で疲れを癒してきたのだなぁとしみじみ思った。みんなが温泉に行きたがる理由が分かった気がした。

いつか一人ではなく、友達と温泉旅行を楽しんでみたい。

この先やりたい事がまたひとつ増えた。

 

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