乾癬という病い

このブログは、難治性皮膚疾患である乾癬という病いとともに生きる、一人の人間の記録です。

希望

以前皮膚科の病院の待合で診察の順番を待っている間、受付の横の本棚に置いてあった乾癬の冊子を読んでいて、ある記事が目に留まった。

はっきりとは覚えていないが、だいたい以下のような内容だったと思う。

… 医師は治療目標をPASI90〜100(90〜100%寛解状態)に設定したとして、実際にそうなると患者は皮疹もなくなりQOLも向上し、心の満足度も同じように100近くになるのではないか。しかし実際は違っており、PASI100を達成しても患者の中には生活に障害を感じる人もいて、医師と患者の間に認識の差異が生じる。

というような内容だった。

生物の効果がまだ十分にみられなかった私はそれを読みながら「贅沢だなぁ。100%きれいになっても何で満足しないんだろう。」などと思いながら読んでいた。更におどろいたのはそこまで細かく患者の気持ちを考えてくれている医者が世の中にいるんだということだった。

今ならPASI100でも不安を抱える患者の気持ちがわかる。実際今の私はPASI75〜80位だが、この先良くなるのか?悪くなるのか?という不安はある。私のPASIスコアからしてその不安は普通だとしても、もしPASI100になった時に尚も不安になるのかと問われれば、答えはYESだ。

それは恐らくこの治療が根治療法ではない事に起因する。治療中はとにかく肌が綺麗になってくれればとその事ばかりを願う。しかし皮疹が全て消えて完全寛解したとしても完治したわけではなく、ただ対症療法を施しているだけなのだ。いつ生物が効かなくなるかわからない、しかもこの高額の治療法を死ぬまで続けなくてはならないという事が現実問題として患者の前に大きく立ちはだかってくるのだ。

だがあの記事の内容は私にとって、いや乾癬患者にとって希望だと感じている。

患者の心の問題にここまで医師が言及してくれているという事実は、今後もその問題について研究や理解が進むことを示唆している。

そして私は必ずそうなると確信しているのだ。

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