内と外
皮膚の病は表面的に他人から分かりやすい為、患者は積極的に外に出る事が出来ず、引きこもりがちになる事が多い。
必然的に意識が内へ内へと向かっていく。
私も苦しい自分の気持ちに折り合いをつける為、様々な本を読み漁り、考えたりして、自分を納得させる「答え 」を探していた。
ずっとずっと探していた。しかも揺るがない絶対的な「答え」を。
でもそれは、乾癬という病いに自分が罹った理由を探すのと同じようなもので、そんな答えや理由は何処にもない。
物心ついた時から乾癬と共に生きてきたのに、結局それを受け入れられない自分自身とずっと闘っていたに過ぎない。
社会人になってから、私は海外、特にアジアを趣味で旅する事が多かった。
旅先で起きる出来事は人生によく似ていた。
旅では予定外の出来事ばかり起こるのだ。慎重な私はきちんと予定を立てる。だが思うようにはいかず、四苦八苦する。
旅ではトラブルから様々な事を学び、身を守る知恵を身につけてきた。
そしてどんなに大変な旅であっても、無事に日本に帰って来れば、全てが楽しい思い出となるのだ。
生きることも同じだ。乾癬はトラブルの一つで、そこから様々な事を学び、知恵を付けていければいい。結局、内へ向かっても外に向かっても気持ちが辿り着くところは同じだ、と思った。
だからいつか人生を振り返る時、私はきっと楽しかったと言えるはずだ。