乾癬という病い

このブログは、難治性皮膚疾患である乾癬という病いとともに生きる、一人の人間の記録です。

書くということ

実は自分が乾癬患者であるという事は、私にとって最も他人に隠したい事実だ。実際に私が乾癬を患っているのを知っているのは家族と数人の友人だけだし、それ以外の友人は私が皮膚病だと知ってはいるが、たまに心配そうに「大丈夫?」ときかれるだけで私から病名を伝えてはいない。今も病名を他人に知られるのは怖いし知られたくはない。

生物を打ち、肌がクリアになっていく途中で私は、ずっと乾癬だった自分の人生を、初めてクリアな肌の立場から振り返った。クリアになったからこそ振り返ることが出来たのだと思う。その時なぜか無性に過去の人生を記しておきたくなったのだ。

記すだけなら自分だけの日記で十分だろう。なぜ不特定多数が目にするブログに書いたのか。これは正直今でも葛藤がある。家族にはいつかこれを読んでもらってきちんと知っておいてもらいたいという思いと、世界の何処かに私に共感してくれる人がもしかしたらいるかも知れないという思いと、自分がどうしようもなく孤独だった事に気がついてしまったというのが理由だと思う。

だから有益な治療法などをブログで紹介したり情報交換したいなどとは全く思っていなかったし今もただただ自分が経験した事、思った事、感じた事だけしか書いていない。とても一方的なブログだしそれでいいと思っていた。

だけどある時、私のブログを読んで下さった方から、「ブログを読んで、ああ、これは私だ、と思いました」というコメントを頂いた事があって私はそれをみた時、思わず泣いてしまった。

今まで乾癬患者に会ったこともない私が、ブログという場で時間や場所を超えて「これは私だ」と思ってくれた人に、同じ苦しみを感じてきた人に、出会えた気がしたのだ。とても嬉しかった。

他にもブログをやって良かったと思うことがある。今までクリアな肌を知らなかった自分の人生の中で漠然と考えていた苦しみ、想い、希望を文章にすることで、それらは輪郭を持ちくっきりと浮かび上がってきたのだ。

過去のことを思い出すことで当然苦しくなることも多々ある。だがそれよりも自分を自分自身でカウンセリングしているような、セラピーをしているような、そんな感じを受けるのだ。今はまだその感情をはっきり文章にすることは出来てはいないが、確かに自分の中の何かが解き放たれていっているような感覚があるのだ。

だから苦しくならない限り、私はこのブログをこれからも書いていこうと思っている。

たまたまこのブログを目にされた方、興味を持って読んでくださる方、コメントをくださる方々。稚拙な私のブログを読んでくださり、ありがとうございます。

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