乾癬という病い

このブログは、難治性皮膚疾患である乾癬という病いとともに生きる、一人の人間の記録です。

暦の上では春になった。

まだまだ肌寒い日々だが、少しずつ、でも確実に暖かくなってきている。

トレムフィア4回目を打ち、現在私の乾癬は9割消失した。夢にまでみたクリアな肌で今、生きている。

毎年冬が終わるのがとても嫌だった。洋服で肌を隠せる季節が終わるからだ。

なのに今は、草木が一斉に芽吹く春、新緑が美しくそして深くなる季節を経て、夏を迎えるという四季の移り変わりをとても楽しみにしている自分がいる。

私は精神的にも身体的にも人間らしい生活をしたくて職場を変えた。今は自分の時間を以前より確保できている。その時間を自分の為に思い切り使ってみたいと思っている。仕事の事ばかり考えるわけでもなく乾癬で悩むわけでもなく、クリアな肌で普通の生活を送ってみたい。

自由な時間を自分の為だけに使う。この歳になってそれはちょっと贅沢すぎかななんて罪悪感も少しある。

周りの友達はみんな家庭を持ち子育てをし仕事もこなして大忙しだ。自分の時間など持てやしない生活だ。

でも実はそんな状況が私から見れば羨ましかったりもする。みんな「誰かの為」に一生懸命に生きている。子供の為、家族の為。

誰かや何かの為に頑張れることが、実はとても羨ましい。自分の為だけの頑張りって実際はとても難しくて踏ん張り切れなかったり虚しくなったりする時があるからだ。本来は誰かの為や人の役に立つように生きていくのが私の理想だ。

そんな事を考えながらも私は今のクリアな肌に感謝し、自分のしたい事などに思いを巡らせている。

ただやはり現実はなかなか厳しいもので、自由な時間と引き換えに、私は以前程の収入を得られなくなった。生活のやり繰りがとても大変になったのだ。

トレムフィアを打つ間隔も2ヶ月毎から3ヶ月毎に変更せざるを得なくなった。それで症状は悪化するかもしれない。

生物学的製剤を続ける為に副業をすることも考え始めた。

当たり前だが全てがうまく順調に運ぶとは思っていない。でもクリアな肌を手に入れた今、それがいつまで続くかわからないからこそ、自分の為だけに時間を使ってみたいと思うのだ。

楽しみな事や不安な事、罪悪感や孤独感がないまぜになった感情が、いま私の心の中を支配している。

でもこのギフトのような時間を、出来るだけ楽しく過ごそうと、私は決めた。

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