乾癬という病い

このブログは、難治性皮膚疾患である乾癬という病いとともに生きる、一人の人間の記録です。

らしさ

昔、私の部屋のクローゼットには、乾癬が少しでも良くなれば着たいと思って購入していた服が常に1〜2着あった。でもそれを着る機会は結局なく、ずっとクローゼットの奥にしまったままだった。数年で服の流行りは変わり、その度に処分し、また着てみたいと思う服があれば時々購入して部屋の鏡の前だけで着てみたりしていた。

でも歳を重ねるにつれてそういうこともしなくなった。他人に「きっとあなたにはこういう服の方が似合うよ」とか「こういう色の方が合うよ」など色々アドバイスされることも多かったが、乾癬の私にとっては地味に辛いアドバイスだった。自分にどういう服や色が似合うのかも分からなかったし興味もなくなっていた。

いま、自分が着たい服を着て生活できるようになり「好きな服を選べる自由」がある事を知った。自分の好きな色、好きなデザイン。選択肢が無数にある。そしてその中から選べるという自由。

スカートを履き、家を出る。歩くたびにプリーツの裾がふわっと揺れる。その度に私の心は踊る。気分も上がる。こんな自由があったんだと幸せな気分になる。街中でガラスに映る自分の姿が自分じゃないみたいだ。女性らしい服装をしている自分。そっか、私は女性だったんだと当たり前の事を意識する。

ひとつひとつ出来る事が増えて普通の人と同じ生活を送れるようになる。生活の質、QOLが上がっていく。自分の意思で選べる事が増えていく。

もしかしたらそんな中から「自分らしさ」って出てくるのかもしれないな。

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