乾癬という病い

このブログは、難治性皮膚疾患である乾癬という病いとともに生きる、一人の人間の記録です。

変わり目

私は毎日の仕事で疲れ切っていた。

責任の重さや残業の日々、上司と部下からの板挟み。生真面目な私はそれら全てを完璧にやらなけばいけないと思い込み、そんな器も力もないのにただ期待に応えようと必死だった。

もう私には無理かも‥そう考え始めていた時、このブログを読み返してみた。

ステラーラを打ち始め、肌がクリアになっていく過程で、今までの自分の生き方を考え直さなければならない、と私はちゃんと書いていた。

今改めて考え直す時期にきたように思う。

私はこの先も人の目を気にしながら、肌を隠しながら死ぬまで生きていくはずだった。生物学的製剤に出会うまでは。

いま私は生物のお陰で以前はできなかった事を少しずつ経験していっている。それは他人からみればとても些細な事だけれども私にとっては生まれて初めての事ばかりだ。

十分に歳を重ねた私が、初めての事、初めての感情を経験していく。

生き方を考え直すということ。

結婚もせず子供も残せなかった私は、他の人よりも何かを頑張らないと、例えば仕事なら仕事を人より頑張らないと誰にも認めてもらえないんじゃないか、ただ病いに苦しんだだけの意味のない人生なんじゃないかという強迫観念のような想いにずっと囚われていたように思う。いや、実際今だってそうだ。

そんな観念に囚われた生活より、いまはクリアな肌になれた事で肌を気にせずできるようになった事を一つ一つただ楽しんで味わって生きていきたい。

もっと楽しくいい意味でラクに生きていきたいのだ。

生物をいつまで続けられるかはわからない。

また乾癬の肌に戻ることがあるかもしれない。

でもそれでも人の目を気にすることや意味のない観念を棄てて、今までより単純に人生を楽しく生きてみたいのだ。

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